公務員の出世コースとは?部署を具体的にお教えします

「公務員の出世コースとは?」

おそらくそのようなことが気になる若手職員の方は多いのではないでしょうか。

公務員にははっきりと「出世コース」が存在します。

どういった部署に異動になるかで、人事が幹部候補として考えているのか、それともその他大勢にしか見られてないのかが分かります。

具体的には、下記の部署に異動になれば、エースとして見込まれていると言えます。

  • 財政課
  • 人事課
  • 政策企画課

ただし当然ではありますが、これらの部署には誰もが行けるわけではありません。

うっかり志望してしまうと、逆に「よくわかってない奴」として敬遠されてしまうというフィルター効果もあります。

この記事では公務員の出世コースについて、またどのようなタイプの職員が出世コースに乗りやすいかについて解説します。

公務員の部署異動のしくみ

公務員として2、3年勤めると、初回の異動があり、その後数年に一度の異動を繰り返すことになります。

最初にどのような部署に配属されるかは採用試験の評価順であるパターンが多いです。

ある意味では実力順と言えますが、これはあくまで試験の結果。

職員としての能力とはまた異なっています。

そのため、最初に花形部署に配属された若手がその後ぱっとしないこともよくある話ですね。

また最近よくある異動パターンが、出先と本庁を交互に行ったり来たりするもの。

これは組織の考え方にもよりますが、職員に早いうちから住民対応を覚えさせるためです。

それでも見込まれている職員は例外的にこの往復から外れたりするので、外から見ても比較的分かりやすかったりします。

公務員の出世コースは財政課・人事課・政策企画課

権力はヒト・モノ・カネとはよく言われますが、公務員の世界も同じです。

公務員の出世コースは下記の3部署です。

  • 財政課
  • 人事課
  • 政策企画課

それぞれ見ていきましょう。

財政課:予算を掌握している出世候補の筆頭部署

財政課は組織の予算を握る部署。

強い力を持った部署です。

もちろん能力が高くないと仕事をまわせないため、優秀な職員が配属されます。

当然予算の時期になれば各部署と折衝をかさねながら予算額を決めていくことになります。

そのため組織の部署がどのような事業を持っているのかが、頭に入っている必要があります。

少なくとも自分の担当部署に関しては費用対効果も含め、高い理解力が求められます。

また予算交渉の場面で額を切り下げる場面も少なくないため、調整能力も必要です。

さらに毎年の予算決算は議会の承認にかかる事項。

失敗は許されないため、大きな責任のかかる部署です。

幹部として活躍している方の過去の経歴を辿ると、財政課に在籍していたことのあるパターンは多いですね。

人事課:組織の人事を握る組織の中枢

人事課は役所の組織の中枢としてエースが引っ張られる部署です。

役所組織はいかに組織機能を円滑に維持していけるかが重要。

人事課の職員は組織の他の職員についてよく理解し、同時に各部署の業務について十分に把握できる人材でないと務まりません。

つまり役所内のどのセクションのどの業務の重要性が高く、どういった人材を投入できるかの判断を求められるということです。

また役所は倒産の心配はないとは言え採用が自由に行えないため、欠員が出ると致命的です。

とくに行政改革が叫ばれて以降、どの組織も人員削減が過剰に進んでいます。

場合によっては特定の部署の職員定数を削らなければならないことも。

当然、部署との高い交渉能力が必要となってきます。

また最近ではパワハラ訴訟など、職場環境をめぐる係争問題も増加。

それらに対応するのも人事課の仕事です。

人事課の役得としては、次の異動先をお手盛りで決められるということでしょうか。

体裁としては「本人の異動先は本人が関与できない」となっていることが大多数でしょうが、実際はそんなことはないでしょう(笑)

政策企画課:組織の方向性を現実化させていく花形部署

政策企画課、または企画課と呼称される場合が多いかと思いますが、企画部門は組織の花形部署。

首長の掲げるビジョンを具体的な行政施策に落とし込んでいくため、高い実務能力が求められます。

またこちらも他部署との連携が必要なため、組織全体が見渡せる能力や交渉能力が求められます。

私のいた組織でも、政策企画課は常に誰かが深夜まで残っているイメージでしたね。

23時くらいまでの残業は当たり前だったのではないでしょうか。

新規採用で生え抜きでやってきた人に加えて、社会人採用の人も多かったのではないかと思います。

出世部署へ志望すると逆にNG?

私のいた組織では、出世部署へ異動希望を出すと逆にNGだと言う話を聞いたことがあります。

つまり優秀であるかどうかは見出されるのであって、自薦するようなタイプは大体がおかしな奴なので逆に排除されるという説です。

異動は人事課が決めるという体になっていますが、出世部署への異動は現在の所属の上司と異動先と人事課で意識合わせがすでに済んでいるわけです。

あとは本人の意向のみで、現在の所属長から「君は次の異動希望にここを書いてね」と言われるかたちです。

まさに運命の分かれ道で、断ったらその後の扱いがどうなるかは推して測るべしといったところでしょうか。

出向は見込まれている?遠ざけられている?

花形部署の職員が出向させられるパターンがあります。

市区町村から都道府県へ行くパターンや、都道府県から国へ行くパターンですね。

大体において激務を体験することになりますが、戻ってきたら栄転が約束されているパターンがほとんどです。

組織の代表として向かわされるわけなので、優秀な職員が選ばれますが、これも裏の理由がある場合があります。

優秀だけど人間的に評価されてないパターンです。

他の職員と衝突したり、パワハラまがいの行為を繰り返す職員は、遠ざけるために出向というかたちにされてしまう場合があります。

次点の出世コースは議会事務局

議会関連の部署も出世頭が行かされる部署です。

やはり議員と接触する機会も多いので、変な人は配属させられないという事情もあるのでしょう。

私のいた組織ではわりとエリート意識丸出しの人が多かったですね。

議会事務局は住民や他の職員と接触する機会もほとんどなく、ほぼ議員対応のみ。

だんだんとそういった意識になっていくのかもしれません。

また議会関連部署はとくに係長級の職員は出世候補の人が多い印象です。

また一般職員でも優秀と言われる人は、さきほど例に挙げた3部署との間でぐるぐる回っているうちに職層が上がっていくのがパターンではないでしょうか。

公務員として「できる職員」はどのような観点から決まるか?

公務員には民間のような「売上」や「利益」といった概念がありません。

新しい仕事を取ってくるということもなく、ただ決められた仕事を日々淡々と繰り返すだけです。

個人の成果が見えづらい世界ですが、公務員として「仕事ができる」とは、どのような観点にもとづいているのでしょうか。

公務員は組織維持が最大の是

まず頭に入れておかなくてはならないこととして、公務員には利益の最大化という概念がないということ。

公務員は民間企業とは異なり、競争原理にさらされていません。

民間は絶えず利益を拡大していかないと、いつ淘汰されるかわかりません。

しかし公務員にとって組織の存続は当然であり、またこの先倒れることもありません。

公務員にとっては組織さえ維持できていれば食いっぱぐれないわけで、普通に淡々と日常を過ごしてさえいればそれが揺らぐことはないわけです。

公務員にとっては組織維持に支障を与えないことが最大の是であると言えます。

公務員には成果が求められない

組織維持に疑いはないわけなので、何かの華々しい成果で組織を前進させることは必要とされていません。

また仕事のしくみ的にもそういったものが実現しづらくなっています。

これはそもそも予算が決まっていることや、業務内容が法律や条令に強く縛られていることが理由です。

むしろそういったスタンドプレー的な発想は公務員的には嫌がられます。

単純に危険だという見なし方が一般的で、前例にないイレギュラーなことをやって失敗するくらいならやらない方がいい、という思想が強いです。

もっと言えば、そういう余計な仕事を増やしてリスクを増大させる人間は排除すべき人間ということになります。

公務員の「できる職員」とは組織の機微を心得ているタイプ

むしろ仕事ができると見なされるのは、無駄な仕事を生まず、調整が上手いタイプです。

もちろん無気力で仕事をしない人間がよいということではないですよ。

なすべきことを心得てるタイプとでも言えばよいでしょうか。

持っている能力を、火消しや鎮静化に向かわせることのできる人間が評価されやすいです。

反対に個人が手柄を求めて仕事を大きくしてしまうと、課や係として引き受ける仕事が大きくなってしまうわけです。

それは上も嫌がりますし、当然未知のリスクも増えるわけです。

そしてそういった考えは組織全体に共通しています。

個人としての能力が仮に高くても、そういう組織の機微が見えないタイプは好まれません。

またこれは同時に「やらないと責任の所在を追求されることは引き受けるべき」という発想も含みます。

やるべきことはやり、やるべきでないことはやらない。

そういったことを心得ているスマートなタイプがいわゆる公務員としてのエリートタイプと言えます。

反対に、個人の熱をもって何かをなしとげるタイプが評価されるのはなかなか難しいというのが私の見てきた印象です。

公務員としての適性が見極められるのは2つ目の部署

現在若手の職員の方の中には、自分が出世できるのか気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

俗に言われるのは、2つ目の配属で今後の色が決まると言うこと。

2つ目の職場がケースワーカーであれば、今後もその路線が期待されるでしょう。

また電算系であればシステム担当として引っ張られることが多くなるはずです。

1つ目の部署はもとづくものが便宜的なものでしかありません。

思った部署に配属されないケースも多々あるかと思いますが、2つ目の部署は間違いなく最初の部署での仕事ぶりによって決まります。

数か月や1年で決まることではないので地道な積み上げが必要ですが、今後のキャリアに前向きに向かうためにも、現在の場所で力を発揮することをおすすめします。